師匠・山九亭初助の死を知らされた森野要こと山九亭感謝。その胸の内に一枚の座布団の上で話芸の極みを目指し、別世界を繰り広げた誇り高い落語家への思い・記憶が去来する…。初助の元で兄弟子の寒也と出会い、二人を通して、噺家は人生にまつわる色・情・一生涯の全てが芸の肥やしになるのだと学んだ。たとえそれが情愛でも、別れでも…。