その巨大な、客船の名前は『うみへび号』。南の異国の言葉で名づけられたその船は、さながら海上にそびえ立つ巨大な動く城。そこに居合わせた鉱山主である”レオンハート・カプラ”と、人魚を売ることを生業にしている”マダム・フレイア”。マダムが連れている人魚、”ニゼ”は、それは、それは、吸い込まれそうに深く青い瞳をしているのでした―――。

『人魚は・・・死んだらクジラになれるんです』

『そうか・・・死んでもまた海を泳げるなんて、いいな』

『・・・笑わないんですね』

”―――でも、人間と交わってしまうとクジラにはなれないんです”

――――――互いに惹かれあう二人。

『・・・クジラになれなくなるぞ』

『あなたの物以外、何にもなりたくない・・・！』

レオンハートと人魚のニゼの運命はどう紡がれるのか・・・。それは、皆様の目でお確かめください。